
先日、ある2代目オーナーの方とお話をさせて頂く機会があり、興味深い体験談をお聞きしました。
ご自身が結婚された際に、経営しているマンションに入居されたことがあるとのことで、実際に住んでみてそのオーナー様は、住み心地が悪いという感想を持ったそうです。
そう感じた理由としては、騒音がひどい、実際収納や家具の設置をしたときにデッドスペースが生まれてしまう、入居者のゴミ捨てマナーが悪いなど、生活をしてみてはじめてわかってくることが多かったようです。
このお話をお伺いし、空室対策を行う中で「入居者の目線に立つ」とよく言いますが、実際にオーナー様自身が「住みたい」と思う部屋づくりができているのか?という純粋な疑問が改めて生まれました。
今回は、オーナー様の声を交えながら、「住みたいと思わない」理由を見つけ、「住みたいと思う」理由に変える方法を探っていきたいと思います。
▼目次
1.自分のマンションに住みたいですか?オーナー様アンケートを実施
2.自分でも「住みたい」と思うオーナー様がしていること
3.マンション経営=サービス業「減点方式」で評価されるということ
4.まずは、減点ポイントをみつけること
|1.自分のマンションに住みたいですか?オーナー様アンケートを実施
自己所有のマンションに住みたいですか?

自己所有のマンションに「住みたいと思わない」理由
・ベランダに鳩のフンが落ちている
・駐輪場が荒れている
・ゴミステーションが荒れている
・リフォーム状態が中途半端
例)クロス張替をしていない
・水廻りの清掃が甘い
・騒音がひどい
・デッドスペースが多い
・日当たりが悪い
※セミナーにご参加頂いた自主管理及び他社管理オーナー様にご回答頂きました。
今回、オーナー様数十名の方に、自身が所有するマンションに住みたいかどうか?というアンケートを実施しました。
右のグラフの通り「住みたいと思う」というオーナー様が42.6パーセントに対して、「住みたいと思わない」というオーナー様が57.4パーセントと、上回る結果が出ました。
右記の通り「住みたいと思わない」理由は様々でしたが、実際に住み出したときの不安につながりそうな内容が多く上がっていることが見受けられます。
また、築年数がそれほど経っていない物件や、駅近物件など、もとから備わっている物件力が高い物件については、こういった、本当に住むと考えたら出てくる不満をオーナー様が見落としがちな傾向も見てとれます。
オーナー様が自信を持っているからこそ、安心してしまい、手を抜いてしまっているというケースも実際にはあるようです。
このように、オーナー様自身でさえそう感じているマンションを入居者に貸し出し、賃料を払ってもらっているという現状があるのです。
ベランダに鳩のフンが落ちていれば、入居後も鳩害対策がなされないのではないか?と思いますね。リフォームが中途半端であれば、いざ不具合が出た時に修繕を渋られるのでは?という印象を受けることもあるかと思います。
部屋の状態は入居後のオーナー様の対応の質も、はっきりと映し出しているのです。
|2.自分でも「住みたい」と思うオーナー様がしていること
では逆に自身でも「住みたい」と思ったオーナー様は具体的にどのようなことをされているのでしょうか?
詳しく聞いてみたところ、特に目立ってプラスアルファの対策やグレードアップに繋がる何かを行っているわけではないようです。
例えば、部屋・共用部ともきちんと掃除をしている、リフォームは退去してすぐ細かい部分まで行う、掲示板をこまめに更新しているなど、快適な生活をイメージできるような対策をくまなく行っているオーナー様が多いようです。
要するに、100点の状態に近づけるための努力を継続されているのです。
このように、当たり前に思われることを当たり前に行えていることが大前提と捉えられ、そこが自然と「住みたい」と思う要因に繋がっていきます。
当たり前のことを当たり前に行うということは、実際のところなかなか継続が困難ですが、費用をかけて大掛かりな空室対策をする前に、一度目を向けてみるべきポイントではないでしょうか。
|3.マンション経営=サービス業「減点方式」で評価されるということ
マンション経営はサービス業というお話を以前させて頂きました。
サービス業は「減点方式」で評価が決まっていきます。
たとえば飲食店でも、ある程度の料理の質と、滞りない接客と、見合った金額設定があったとしても、店内の清掃が行き届いていない等の減点ポイントがあると、それだけで100点からマイナスされてしまいますね。
部屋がすべてがきれいで不具合がない状態が100点。
部屋探しをする方からすれば、100点の状態で当たり前なのです。
そこから、前項でお伝えしたような「住みたくない理由」につながる減点ポイントがみつかる毎に○点○点と評価が下がっていってしまいます。
100点基準で部屋探しに臨む入居者にとっては、減点されるポイントがいかに少ないかというところが、申込を決める最低限のラインになります。
さらに申込段階だけではなく、マンション経営における、その後の顧客満足度の充実を左右することになります。
|4.まずは、減点ポイントをみつけること
マンションを良く見せる方法はいくらでもありますが、まずオーナー様自身が感じられるウィークポイントは何かを体感することが重要になってきます。
前頁でお話させて頂いたように、いざ自分が住むとなったらどこが気になるか、想像してみてください。ご自身で体感することが、何よりそのマンションを改善したいと思う原動力に、より現実的につながります。
それが見つかれば、そのうちの1つのポイントで構いませんから、どうすればその弱みをカバーできるのか、一度考えてみてください。
その見極めを行わず、他に減点ポイントがあるのに空室対策としてマンションに付加価値をつけようとすると、何をしてもプラスにならない可能性もあります。
もちろん、マンションと入居者が出会ったタイミングで100点なのが最善の形ですが、物件も生きていますから、古くなれば不具合も出ますし、入居者同士いつトラブルが起きてもおかしくはありません。そういった「減点」があった際にどういった対応をするのか。
90点になった評価を100点に戻すための「当たり前」の基準を、オーナー様ご自身で決めてみてください。もし、判断が難しい場合は、それこそパートナーである管理会社の意見をもっと求めてみるのも一つの手と言えるでしょう。
無料の空室対策相談は下記をクリック